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2008年 04月 28日

その⑤ 保育園の先生への手紙

この手紙は、3月12日に受けた発達テストの結果をふまえて、保育園の先生に宛てて書いたものです。保育園の先生には発達障害の資料とともに手渡しました。

以下、手紙の内容です。

息子が発達障害なのかそうでないのか、発達障害だとすれば広汎性発達障害(PDD)なのか、単に注意欠陥多動性障害(ADHD)なのか(両方の特徴を伴う子供は多いそうです)、それは専門家の診断を受けなければなんとも言えませんが、2008年3月12日に市の療育センターで心理士による発達テスト(恐らく新版K式発達検査)を受けた結果、発達の偏り、アンバランスがあると指摘されました。

テストの結果、現在3歳半の息子は部分的には5歳くらいの発達をしているところもあり、また部分的には2歳くらいの能力しかないということでした。このバラつきが風変わりな行動に結びついてしまうようです。心理士さんによると経過を見守る必要があるとのことで、4歳と5歳の時点で再度発達テストを受けることとなりました。また、テストの結果、息子の集団行動が苦手といった面は少なくともあと1年はこのままだろうとも言われました。

1歳になる前からいつも落ち着かずに動き回る息子を見て、私は注意欠陥多動性障害(ADHD)を疑ったことはありました。しかし、発達障害というカテゴリーで色々調べていくと、広汎性発達障害(PDD)、なかでもとりわけアスペルガー症候群の項目が目に止まりました。これはまさに息子のことが書いてあると感じました。自閉症やアスペルガー症候群によくある特徴を調べていくと、この3年間不思議だったことにどんどん答えが見つかります。息子が意味もなく頭をシェイクしたり、物を何でも一列に綺麗に並べて遊んだり、数字や曜日に関する記憶力が異常に良い理由もだんだん分かってきました。専門家の診断はどうか分かりませんが、息子が限りなく広汎性発達障害(PDD)のカテゴリーに近いところに存在していることは否定のしようがないと思います。

息子が8ヶ月頃、お座りして扉を開けたり閉めたりする遊びに夢中になっていました。目を離した隙に扉の角で足を切ってしまった息子は血が出ていても泣きもせずにずっと扉をパタパタ動かしていました。その後も息子は痛みに対してかなり鈍感でした。興味のあるものに突進し、頭をぶつけたり、転んでばかりいました。転んで「痛い」と言い出したのはとても最近(3歳くらい)ではないかと思います。
また1歳頃、児童館のお遊戯に参加させようとしてもいつも部屋から逃げ出してしまう子でした。いつも落ち着きなく動き回って、眠りに落ちる瞬間まで動いていました。遊びへの興味の示し方も他の子と違うようなところがありました。おもちゃよりもエレベーターのボタンを押すのが大好きで、一日に何十回でもエレベーターに乗れとせがまれましたし、目覚まし時計を投げる遊びが大好きで何個も目覚まし時計を壊されました。偏食も激しくて、納豆とチーズとごはんしか食べない日が何ヶ月も続きました。
それでも当時は「自分の息子が発達障害かも」などとは決して思いもしませんでした。「おかしい」と思い始めたのは、息子が数字に興味を持ってからです。2歳半になって数字に興味を示し始めると、すぐに数字を覚えてしまいました。しかし、それからは大変でした。

まず、乗る電車を選ぶようになりました。同時期に「色」にも興味を示し始めましたが、そうなると「青色の電車」の「×番目」の車両でないと乗らないという「こだわり」が始まり、そうではない電車に乗せると泣いて大暴れしました。病院などの部屋番号に「4」や「9」がないことを異常に気にし、「3の次は4なのに!4がない!」と怒りました。CDラジカセの操作を覚えると、何番目は何の曲かを毎日何度も確認していました。私にも何度も何度も「×番目は何の歌?」と聞いてきます。私がきちんと答えられないとひっくり返って怒るのです。
数字以外にも、せっかくパパが着せた服を「ママじゃないとダメ!」と言って全て脱ぎ捨ててしまうような「こだわり」がどんどん増えていきました。
そして、注意欠陥多動性障害(ADHD)を疑わせるような落ち着きのない行動は3歳を過ぎても続きました。「このままできちんと小学校に入れるのかな?」そう心配しはじめた私に、3歳児検診で保健士が「療育センター」を勧めてくれたのです。

そして3月12日に発達テストを受けることになったのですが、積み木を並べたりするようなテストで、息子はとても楽しんでテストを受けていました(「楽しいから毎日やりたい」と本人は言っていました)。
息子は心理士さんのお手本どおりに積み木を並べ変えたりすることはとても得意でした。数字に関することももちろんよくできました。しかし「人間に関すること」と「聞く」ことに関しては明らかに出来が悪かったです。

8つくらいの表情が並んでいる一枚の絵がありました。
心理士さんが「怒っている顔どれ?」「泣いている顔どれ?」と聞くとすごく迷ったり「ない」と答えたりするのです。他人の表情を読み取る力が全然ないのです。確かに日常生活でも私が全然怒ってないときに「ママ、どうして怒るの?!」言うことが何度もあります。場の雰囲気を読み取る力もないのでしょうが、表情を読み取る力もないのだとよく分かりました。

また、片手や片目のない人物の絵がありました。
心理士さんが「足りないところ付け足して描いて」と言うと」、「(足りないところが)ない」と答える息子。人物の絵が描けることは自分を表現することでもあると心理士さんは言ってました。そういえば息子は生まれて一度も人物の絵を描いたことがありません。

椅子やメガネや洋服のカード。物の名前はスラスラと答えた息子。しかし、心理士さんが「着るものどれ?」「座るものどれ?」と聞くと全く答えられない息子。「動詞」を知らないわけではないのに、耳に入っていても脳がそれに反応しないようです。他人が話しかけていても聞いていないことがよくある息子ですが、心理士さんは「耳から入ってきた情報を全く使わずに、視覚だけを頼りに生活している」と指摘しました。
心理士さんが紙を持って「名前を書いてあげる。名前は?」と聞くと「・・・ひよこ」と答えた息子。息子の注意力は心理士さんの手元の紙にしか向いていないようです。保育園でひよこ組(1歳児クラス)だった時に同じような紙の同じような箇所に保育園の先生が「ひよこ組」と書いたことがあったのかも知れません。かけられた言葉よりも、視覚的な情報だけを頼りに「何組さん?」と聞かれていると思い込んだようでした。

心理士さんによると、5歳頃、友達同士関わりながら遊ぶということができるようになればこれらの発達の偏り、アンバランスはなくなるとのことでした。逆に言えば5歳頃にそれができないと小学校に入っても上手く集団生活を送れないかも知れないということです。そしてその経過を見守る意味で4歳と5歳の時点で再度発達テストを行うことになりました。

この先1~2年のうちに友達と上手く遊べるようになるかどうかがカギとなります。そしてその為に是非保育園でお手伝いいただきたいことがあります。(とは言ってもできる範囲で構いません。下記のことを実行するしないに関わらず、5歳になれば自然と友達と遊ぶようになるのかも知れません・・・。)

☆2~3人での遊びをさせる
クラス全員でのお遊戯に参加することは息子にはかなり難しく、2~3人のお友達と一緒に遊ぶところからスタートしなくてはならないようです。自由遊びの時間に、もし息子が1人で遊んでいたら、2人くらいで遊んでいる子の仲間に入れてあげてください。しかし、息子のお友達と遊ぶ能力はせいぜい一歳児レベルなので、上手く対等には遊べません。また、お友達はいつも反応が違うためにとまどうことが多いようです。前回お友達が好きだったものを差し出しても、今回もお友達が気に入ってくれるとは限らないのですが、息子にはそういうことが理解できません。そばにいる大人が「○○ちゃんは今日はあっちの方が好きなんだって」等、いちいちフォローして補ってやる必要があるそうです。

☆年長さんと遊ばせる
息子と同い年の子もまだそれほどコミュニケーション能力があるわけではありません。息子が一緒に遊んで「楽しい」と感じられるかはなかなか難しいものがあるそうです。しかし年長さんともなるとかなり相手に合わせたコミュニケーションがとれます。今の息子にとってはそういった1~2歳年上の子にリードされながら遊ぶことがとても大切だそうです。そうした中で徐々に他の子供と遊ぶ楽しさが分かってくるとのことです。

☆お遊戯はさせずに見せる
今の息子がいきなりみんなと一緒にお遊戯するというのは難しいそうです。そもそも場の雰囲気が読めないのでみんなが何をしているのかよく分かっていないことが多いとのことで、1人でボーッとしている場合は、みんなのことがよく見える先生の側に立たせて、みんなが何をしているのか見せるのが効果的だそうです。それでもお遊戯はやらないかも知れませんが、少なくとも「今みんなは何をしているのか」ということは理解できるだろうとのことです。耳から聞こえる情報は耳元でシャットダウンしてしまうので、口で説明するよりも、全体を目で見せる方が断然分かるようです。

☆1対1で 
耳から聞こえる情報は耳元でシャットダウンしてしまう特徴があるので、「みんな今から公園行くよ~」などといった呼びかけはまず息子には届いていません。息子の肩を叩いて、もう一度目を見て1対1で呼びかけてください。
そうでないと、息子はいきなり「早く、早く」と急かされるところから始まることになり、「何が早くなのか」「今から何をするのか」さっぱり分からないまま、強引に連れて行かれるといったことになってしまうようです。

☆スキンシップ
耳から聞こえる情報は息子にとってほとんど重要ではありません。「おはよう」「さよなら」という言葉は息子にとっては単なる音でしかないようで、言葉のあいさつがコミュニケーションだとは息子は思っていません。言葉よりもハグのほうが息子にはコミュニケーションだと感じられます。スキンシップしながら話しかけたり、表情やジェスチャーを大げさに(表情を読み取るのも苦手なので)することでようやく息子に届くようです。
家でも「ごはん食べよう」と何度呼びかけてもダメですが、お茶碗を目の前に持っていくと「食べる~」と食卓につくことが度々あります。私の発する言葉は息子には一言も届いていないのかなと悲しくなることもある程です。

☆お手伝いをさせる
これは主に自宅での取り組みになるのかも知れませんが、機嫌の良い時や落ち着いている時にお手伝いをさせ、大げさなほどに誉める(ハグしたりしながら)ことが大切だそうです。するとまた誉められたいという感情が起こり、自分から「お手伝いしようか?」などと言うようになり、それが自分から他人とコミュニケーションをとることにつながっていくのだそうです。

☆人物の絵は無理?
人物や顔の絵(アンパンマン含む)を自分から描くことはとても大切なことだそうです。しかし、心理士さんによると「今の息子には無理」とのことでした。
いきなり描くのは難しいそうですが、福笑いのように、目や耳のパーツを並べたり、糊で貼ったりすることはできるかも知れないとのことで家で試してみようと思っています。人物の絵を描くことは自分を表現することだそうです。そして自分を表現することはお友達との関係を築く上でも大切なことなのだそうです。


一番楽観的な考え方をすると、息子はある日突然耳から入る情報を使い始めたり、ある日突然友達と遊ぶことに目覚めたりするのではないかと思います。それらの能力は今は眠っているだけできっかけさえあれば目覚めるのではないかと・・・。だから私達が色々と働きかけることはそれほど役に立たないかも知れません。耳からの情報が息子には全く届いていない点には保育園でもご配慮頂きたいと思っていますが、その他の事は思い出したらやってみるという程度で結構です。家でも特に意識せず、いつも通り、普通に楽しく生活していくつもりです。

色々とご面倒をおかけしますが今後ともどうぞよろしくお願いいたします。

by xiaozhuzhu | 2008-04-28 23:59 | 未来のエジソン君


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