2006年 03月 30日

ろうそくの火

最近私の周囲では第一子、第二子問わず妊娠のおめでた報告が続いています。現在子育てにヒーヒー言ってる私ではありますが、新しい命の誕生はやっぱりすばらしいと思います。そしてその命の誕生には母である本人にも計り知れない色々な力が働いていると思います。強いて言うなら先祖の力?そんなことを感じたエピソードをご紹介しましょう。

私の妊娠が発覚したのは上海に落ち着いて2ヶ月ほど経過した時でした。ようやく観光客気分が抜けていよいよ本格的に上海で生活していかなくちゃ!と思っていた矢先の出来事で、と同時にそれまでは気付かなかった上海での生活の色々な不便さにイライラし始めていた時期でもあり、正直、どうして今?と思ったのです。当時は夫も仕事がとても忙しく、言葉に不自由はないはずなのに上海に馴染みきれていない私に対して不満を漏らしはじめた時期でもありました。夫にしてみれば「中国語が話せる=中国人として生活できる」はずだという思いなのでしょうが、私には「どうして中国人になりきれないんだ」と責められているように感じ、正直、中国語なんか話せなければよかったと思ったくらいです。そんなワケで私達は全然妊娠を喜ぶどころではなかったのです。私にはそれもショックでした。夫が全然嬉しそうでもなく、サポートも期待できない中、一体どうやって妊娠、出産を乗り切ればいいのか分かりませんでした。
夫がイライラしている原因は仕事以外にもうひとつありました。夫の姉の旦那さんがガンを患い、先が長くないと診断されていたことでした。まだ小学生の女の子が(今は中学生になりましたが)いるというのに、もう先が長くないなんて、本人も周囲もとてもつらい出来事でした。夫は事あるごとにお姉さんにお金を渡していました。しかし、私が妊娠してしまってからは、私は出産費用を貯金して欲しいと夫に要求するようになり、それについても夫とよくケンカしていました。でも、まさか無一文で出産、育児をしろと言われても、私だって困ります。夫にはなぜこの時期に妊娠したのかといつも責められているようで、私は本当にただの夫のお荷物だったのです。
私達の願いとはうらはらに、義兄(夫の姉の旦那さん)の病状はどんどん悪化していきました。わたしはつわりがひどくてお見舞いには行けませんでしたが、夫はお見舞いに行くたびにとてもショックを受けて帰ってきました。夫は私にも一緒に悲しんで欲しかったと思います。でも私は私の妊娠やつわりに夫があまりに無関心なことのほうがショックで、お互いがお互いに腹を立てていました。
ある日夫は夢を見ました。ろうそくが二本、弱い火が今にも消えそうです。夫は手を一振りしてその火をふたつとも消してしまいました。すると消えたはずの炎が今度はとても勢いよくボウッと燃え始めました。そしてろうそくのむこうに、いつの間にか義兄が立っていて夫に何か言っているのです。
夫はそこで目が覚めたそうです。ただ夢の話をしただけで、他には何も言いませんでした。でもそれ以来少しずつギクシャクしなくなったような気がします。いつの間にかケンカもしなくなりました。義兄はその後一月もしないうちに亡くなりました。
夫は何も言いませんが、私も夫も息子の命のなかには義兄の命が、あるいは先祖の多くの命が宿っていると思っています。私が突然妊娠したのは、義兄の死にたくないという強い気持ちの表れだったのかも知れません。そしてなんとなく、今でも自分が何かに守られているという安心感があるのです。

と言うわけで、また暇がありましたら、妊娠、出産にまつわる不思議な体験をお話しさせてください。ママになるみなさんへのプレゼントのつもりです(えっ?いらない?)。
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by xiaozhuzhu | 2006-03-30 16:06 | 妊娠・出産体験


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